エリートタイプは地に足の着いた先導者です。社会や家庭内における自身の役割を熟知し、それに応えようと懸命です。古くからのしきたりや慣習といったものを大事にし、地元のお祭りや交流イベントなどの指揮を積極的に執り、通じての地域社会の保存と親密性の維持について意欲を見せます。周囲の人にわかりやすい指示や助言を行い、粘り強く皆をまとめ上げることに誇りを感じています。

生まれながらのリーダーシップ

エリートタイプは、人を変えるにはまず自らが示さねばならないと考えていています。社会の規範となるような行動を常に意識していて、不正を働く者や義務を遂行しようとしない者に対しては非難の目を向けます。人生には困難が付きまとい、時には重い責任となってのしかかってきますが、それらを必死で乗り超えた経験の一つ一つが自分を成長させ、人格形成に役立つのだと信じて疑いません。

エリートタイプの持つ現状を正しく認識し判断する力は様々な場面で活用されます。知識に裏付けられた自分なりの見解には絶対の自信を持っていて、例え周囲の反対にあったとしても信条を曲げることは絶対にありません。しかもその見識は単なる意見の強要ではなく、物事を形成している複雑に絡み合う様々な要素を分析し、見つけた課題に対する実現可能な攻略方法を編み出せるのです。

実務能力も発想力にも長けたエリートタイプですが、気質の根底にあるものはよりよい社会の形成です。皆が自分のように真面目でおもねるところのない姿勢で仕事に臨めば、この世界はバランスよくうまく機能すると信じています。そのため、身近にいる人間が無能だったり不誠実であったりすることはこのタイプにとって最も嘆かわしいことの一つであり、もしもそのために期日に間に合わなくなる事態が起これば、烈火のごとく怒ります。融通が利かない頑固者の印象を持たれることが多いエリートタイプですが、社会というものを俯瞰し、そこに生をなす一員としての務めを懸命にこなそうとしているこのタイプならではの当然の行動と言えるでしょう。

個性を認め、自分自身を認めよう

エリートタイプの性格の核は、模範的自分でいることへの誇りです。周囲の人と助け合い、遵守すべきは遵守し、声を掛け合って自分が属する地域社会や組織を維持し、よりよいものへと発展させていこうと努めています。

確かにエリートタイプの社会への貢献方法は最も正統でわかりやすく、その働きを人々から感謝されることでしょう。ただ、気付くべきはおそらく誰もが自分のように振舞い、同じ道を辿るわけではないということです。表立って活躍したい人もいれば、裏方に徹したいという人もいて当たり前です。そんな個性を尊重することは長所を伸ばすことと心得、一人一人の忌憚ない考えを聞きそれをサポートできてこそ真のリーダーと言えるのではないでしょうか。そうして出揃った事実を吟味し改善策を練ることは、本当の意味で皆が幸せを感じられる社会を形成する手立てになるはずです。